司馬遼太郎は小説家ではない

おはようございます。日本夢之助です。

みなさんは普段、本を読みますか?

僕は、といいますと

比較的、読む方だとは思うんですが

最近まで読むより買うペースの方が速く積読に拍車がかかり

外出自粛の2回分?ほど有り余っています。

これを機に、ブログで紹介していきながら消化していこうと思っています。

●もうすぐ読破できそうな作家

では、

一作家の全作品を読破したことはありますでしょうか?

こんなこと訊いておきながら

僕もないのですが、

(このままいくと、この人のは読破できそうだな)という作家がいまして

それは

司馬遼太郎遠藤周作です。

今日は特に、司馬遼太郎について書いていこうと思うのですが、

司馬さんの本を買うと目録が挟んでありまして、

司馬さんの全作品タイトルを出版社別で横断的に網羅したものなのですが、

ここはひとつ

あとどれくらい読めば読破出来るか、

今まで読んできた本を蛍光ペンでマークしてみました。

まだまだ全然でした!(恥)

びっくりしました。

すみません

●司馬遼太郎は小説家か

司馬遼太郎といえば、

龍馬がゆく』や『坂の上の雲』、『燃えよ剣』など数々の歴史小説から

やはり

小説家

というイメージが強いかと思いますが

上掲した様に今まで読んできた上での僕の雑感は、

「司馬遼太郎は小説家ではない」ということです

小説家として認めない、とかそういうネガティブな事ではなくて、

「作家としての真髄は、エッセイにある」

と感じるんですね。

特に

今現在、僕が読み進めている朝日文庫の街道をゆく

1ページ1ページめくる度に

司馬さんのエッセンスを堪能できます。

それは

どこから感じるのかというと、文体です。

司馬さんの文章を読んでいると

司馬さんの存在を感じるんですね、

傍で語ってくれているような、息づかいを。

僕が司馬さんの作品をはじめて手にした時には

亡くなって既に久しく、

司馬さんが実際にどんな口調だったのかは存じ上げないのですが

きっとこういう話し方なんだろうな、

と思わず、目の前に司馬さんの影を想像してしまう、

そんな文体なのです。

何なら

作品の本編より

あとがきのエッセイが優れていると感じてしまうほど(笑)

耳あたりが

すこぶる心地良い。

竜馬がゆく』などの歴史小説でさえ、

途中、登場人物の会話があるという事で仮に小説と銘打つとしても、

読んでて

「(歴史)小説!」って感じを受けなかった印象を覚えています。

司馬さんの作品を、

これは小説、これはエッセイ

と四角四面に分類すること自体がそもそもが不要な行為かもしれず、

何より不粋ですよね。

それでも

そういう無駄を許すのであれば

司馬さんのそれは、僕の中では

「限りなくエッセイに近い歴史小説」という落とし所になり

すべてがエッセイ。

やはり、エッセイ。

それも頭には

極上の、という形容詞は、是非とも付けたいのであります。

●オススメ作品

・『坂の上の雲

明治初年に愛媛・松山に生まれた秋山兄弟と正岡子規の3人を中心に日露戦争までの明治日本を描きます。

これは10年ほど前のハワイ旅行中にずっと読んでた作品なんですが

アメリカやヨーロッパに行く際、または行ったことがある人にオススメです。

今から行く国や地域、その欧米的な要素やまたは離れていく日本がどういう国なのか、

日本人ってどういう民族なのか、を

深く考えるきっかけを与えてくれます。(そんなのは楽しい海外旅行には不要ですが^^;)

ハワイに行った際には、真珠湾に行けば実際の戦艦に乗りまして。

時代が違うので、戦艦の大きさに差がありますが、

実感をもちながら作品を読み進めることができる点で、欧米旅行のお供にいかがでしょうか。

好きな場面は

長い物語の最冒頭、秋山好古(兄)が上京する道中の風景です。

明治初年の(中央政府じゃなく)そこらへんの巷の情景というのは

それが司馬さんが想像したものとはいえ

まだまだ江戸時代から抜けきらないが、御一新があって数年後っていう市井の一風景で、

当時の資料が少ないだけに、描く作家もなかなかおらず

逆に、想像を以って楽しめる点がいいです。

・『項羽と劉邦

これは中国の漢帝国を作る皇帝(劉邦)とそのライバルの話で、リーダー論の話です。

僕は、去年の年末から年始にかけて読んでいました。

今、ヤングジャンプで連載中の『キングダム』という漫画が流行っています。(もちろん僕も読んでいますが)

その、秦帝国の創造譚である『キングダム』の次の時代の話になります。

秦が倒れて、漢になります。

なので、『キングダム』で出てくるあの人物、この人物(3〜4人だけですが)の行く末が、本筋ではありませんが、描かれているんです。

前巻のみ電子書籍で読みました。

どちらも中国大陸を統一する帝国で

それを成し遂げるリーダーというのはどういう人物なのか。

競い合う項羽と劉邦は、あらゆるリーダー像(むしろ政治家か?)の中の一典型に過ぎないとは思いますが、

(注:これも司馬さんが作品を作るための便宜的な演出でしょうが。)

その対比は印象的かつ魅力的に描かれて面白いです。

以上

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